我々は雨漏り修理の依頼があると、雨漏りの調査を無料で行っています。ですから、「検査業務が本当に必要なのか?」と疑問に思えたのです。何より、木造住宅に関してはこれまでの経験や実績から、原因追及に自信があったので、この検査がそれほど有効だとは思えなかったのです。その時はそのまま帰宅し、何事もなく日々の仕事をしていました。
翌月6月、東京でのリフォーム会社の会合に参加しました。なんと、そこで、実際にこの「雨漏り調査」をされているという名古屋市のマツザワ瓦店さんの社長さんとお会いしたのです。「今だ!」とばかりに、先月の講演で気になったこと・知りたいことをいろいろお伺いしたいので、「是非、お邪魔させてください」とお願いしてみました。すると、なんと逆に弊社までお越しいただくこととなりました。
そして9月、ご来社頂いてさまざまなことを教えていただきました。松澤さんがこのサービスを始めた理由、それは、大阪の「瓦寅工業(株)」という同業者の中でも素晴らしい会社がそのサービスを取り入れていたから。というものだったそうです。その社名は瓦業界では有名な会社でした。そして、実際に調査をしている様子や内容、お客様や工事業者様の反応等をいろいろお聞きするうちに、私の気持ちが固まってきました。
我が社も今まで、全ての雨漏り原因を追究できたわけではありません。また、原因追究できたとしても、「目視」で原因を探るため、室内に穴を開けていました。穴の開けることが出来ない場合が多い鉄骨造や鉄筋コンクリート造の建物は、雨漏り原因箇所の追究が難しい建物でした。どうしても原因が分からず、何度もお邪魔する現場もありました。さらに当社が施行したものでない場合、なおさら戸惑うことがあるのも現状です。
そこで早速、マツザワ瓦店さんにご協力いただいて、依頼を受けていた建物を検査していただきました。検査は大変根気の要る作業でした。また、ある程度雨漏り箇所が予測できる経験・知識が必要であること。そして、この検査の良さでもある、しっかりした報告書作成に伴うパソコンのスキルも必要であることも分かりました。
我が社のスタッフを見回してみると、「いいスタッフがいる!」と感じました。ほぼ毎日屋根に上がっている職人と、パソコンで書類作成ができるコツコツ型の若い職人がいます。そして、この検査を始めよう!そう決めたとたん、他のことも見えてきました。困っているのは我が社だけではないはずです。そう、そして工事業者だけでもない、ビルを所有するオーナー様、事務所・店舗の社長、店長様。そして、もちろん住宅にお住まいの皆様が大勢いらっしゃいます。
その時点ではもう、調査業務だけで成り立つのか?そんな不安はなくなっていました。「この雨漏り調査は多くの方に役に立つはずだ。」と確信が持てたのです。雨漏りは放っておくと、取り返しのつかないことになるのは、誰もが分かっていることです。原因さえ分かれば、今までかかっていた工事費も削減できる。そう、無駄な工事が確実に減るのです。